2011年05月17日

国内優先権主張出願とは

国内優先権主張出願は、出願日から1年以内に内容を補充して再出願できる制度で、優先権を主張することにより元の出願内容は最初の出願日に出願されたものとして扱われます。@とりあえずアイデアを出願し(出願日を確保)、1年以内にアイデアを具体化して再出願したいとき、Aいまある内容をまとめて出願し(出願日を確保)、1年かけて内容の練り直し、補充を検討して再出願したいとき、などに利用します。

本日は一日事務所で国内優先の続き。図面の数が多いので、先に下図をすませ、符号も入れておく。あとは図面にしたがって明細書に追加発明の内容を加えていく。明日には終わりそうなので、国内優先の期限には間に合いそうだ。なんとなく炭酸が飲みたくなって1階のローソンで三ツ矢サイダーを買ってきた。こないだ仮面サイダーを飲んだせいかも知れない。

         

午前中に審査官からお電話をいただく。う〜ん。午後は端末から今日の発送書類を確認する。登録査定が1件。補正書を2日前に提出した案件で特許庁の対応が実に早い。代理人としてもこうありたいと思います。

2009年04月18日

4.18 発明の日

本日、4月18日は「発明の日」です。

高橋是清の起草による専売特許条例(現在の特許法)が明治18年4月18日に公布されたことを記念して、「発明先覚者の功績をたたえるとともに、発明の振興とその実施化の促進を広く世に高揚し、産業財産権制度の普及・啓発を図る」ことを目的として、昭和29年に制定されました。

日本に外国の特許制度やその効用を最初に紹介したのは福沢諭吉です。

弁理士の歴史

審査請求費用

特許出願すると、それだけでは審査されません。出願から3年以内に特許庁に審査請求料を納付し、それからようやく実体審査を受けることができます(審査官が審査に着手するのはもう少し後)。審査請求料はとても高く、約20万円程度かかります(減免措置はありますが)。

審査請求を月に100件以上するような大手事務所ですと、立替金額だけでも2000万以上する計算になります。これに月々支払う事務所家賃や光熱費、弁理士や職員への給料などを考えると、手持資金に相当余裕がないとやっていけませんね。うちのような小事務所でも審査請求を月に5件やると立替金額だけでも100万円です。かなり大きい金額ゆえ、私のところでは基本的に前払いをお願いしています。

2009年04月16日

発明のポイントとは

発明のポイントはどこでしょう。発明者にしてみれば一番工夫した点かもしれないし、出願人の立場で言えば従来技術にない新規な部分かもしれません。

午後から特許出願の打合せで、お客様が事務所にお見えになりました。一度作成した特許明細書案についての再度の打合せです。今回は、明細書作成にあたり、高校・大学生レベルの教科書・参考書を購入し、改めて勉強しました。忘れていることもあるからです。打合せをし、最終的に特許出願の内容が固まるころに、発明のポイントにようやくたどり着きました。

何が発明か(本質は何か)、その答えにたどり着くのは、この仕事を二十年やっても難しいです。

上と同じで特許出願について審査を受けて、拒絶理由通知により引用文献(従来技術)が提示され、これによって本願発明のポイントを明確にし、審査官との面接で、この構成なら拒絶理由を解消できる(特許査定してもよい)との合意を得たとき、ようやく本願発明の特徴(=本質)を理解できることもあります。

2008年12月13日

特許検索のツール

本日、鹿児島大学のVBLで知的財産法の講義がありました。早いもので今日一日で3コマ、計12回終了です。特許情報の収集と検索を実演しました。特許情報の主な収集検索ツールとして以下の3つがあります。

■特許庁の特許電子図書館(IPDL)

■欧州特許庁のesp@cenet

■米国特許商標庁の特許データベース

特許電子図書館は、最近、フルテキスト検索ができるようになり、利便性が向上しました。esp@cenetの利便性の良さは相変わらずです。パテントファミリーを表示できる点がいいです。最近では、グーグルから、

グーグルパテントサーチという、大変便利なツールが提供されました。

2008年12月04日

2008 鹿児島の発明・商標事情

3日 鹿児島県法人会田上支部の研修会にて、「鹿児島の発明・商標事情」と題してお話をさせて頂きました。

鹿児島は全国第2位の農業県です。農業分野から生まれる発明が多い点が鹿児島の特徴と言えるでしょう。地域で産出される資源(シラスや焼酎かすなど)を生かした発明が生まれる点も鹿児島という地域の特徴が出ていると思います。鹿児島で生まれる発明はそれだけではありません。機能性食品、ITを使った様々なビジネスモデル発明、他県に劣らず、それ以上のユニークで先進的な発明も生まれています。多様な発明が生まれる土壌ももっています。

2005年度統計によると、鹿児島県内の特許出願件数が約300件、商標出願件数が約600件、この数字は同規模の経済力をもつ他の都道府県と比較すると、低い数字です。特許・商標権などの知的財産権は、他県の商品・サービスに対し、鹿児島県の商品・サービスの競争力を高める役割をします。

鹿児島県の知財競争力を数・質ともに向上させるべく、頑張ろうと思います。

2008年04月03日

拒絶理由通知とは

拒絶理由通知とは、特許等の出願内容を審査した審査官が、拒絶理由を発見した場合に、出願人(=出願代理人)に通知をし、出願人に意見書提出の機会を与えるものです。審査官は 出願人から提出された意見書や手続補正書の内容を見て再度審査をし、特許査定するか拒絶査定するかの判断を行います。意見書の内容を決めるにあたっては 過去の審決例や判決例に目を通すようにしています。

現在 拒絶理由通知を4件抱えています。今月期限が3件、来月初旬が1件。

1件目は意見書の内容がまとまり、出願人にも納得してもらいました。後は人事を尽くして天命を待つ。2件目は手続補正書によって拒絶理由をクリアできそうです。残る2件はこれから対策を考えます。

2007年11月17日

意匠登録とは

デザインを保護する法律として意匠法があります。

デザインは著作権法でも保護されますが、工業品、量産品の場合、美術工芸品にあたるかという高いハードルが課されます。美術=芸術ですから、保護のハードルが高いことが理解できます。

意匠法で保護されるデザインの例としては、自動車、携帯電話、カメラ、時計などのインダストリアルデザイン(工業デザイン)、テキスタイルデザイン、ファッションデザイン、ジュエリーデザイン、ポスターなどがあります。これらはすべてそれぞれの物品に表われたデザインです。

ちなみに、建物の建築デザインは意匠法で保護されません。建物(=不動産)は物品(=量産可能な動産)でないとされるからです。専ら建築著作物として著作権法で保護されます。

※意匠法上の意匠は「物品(物品の部分を含む)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるもの」と定義されています(意匠法第2条1項)。物品には完成品だけでなく部品も含まれます。例えば 自転車用ペダル。それから物品の部分に係るデザインも部分意匠として保護されます。例えば自動車のフロントデザインなどです。

2007年11月15日

リンカーン大統領のことば

リンカーンは自らも特許をとった唯一のアメリカ大統領です。

彼は40歳の時に「浅瀬を航行するための船」(BUOYING VESSELS OVER SHOALS ) を出願し特許を取得しました(米国特許第6469号)。

彼の発明は船体の両側に収縮自在な浮力タンクを取り付け、浅瀬にさしかかったとき膨張させ、浮力を利用して浅瀬を無事に通り抜けようというものです。

彼の演説中の「特許制度は天才という火に利益という油を注いだ。」という言葉は有名です。特許制度の本質を突いています。

特許制度は、一定期間、発明の独占(=利益)を認めることによって、発明者を保護し、さらによい発明を促そうとする制度です(特許法第1条)。一定期間すぎたら、だれでもその発明を自由に利用することができます。これによっても新たな発明を促し、技術の革新進歩による、終局的には豊かな生活の実現を狙っています。

天才は世の中にそう現れるものではありません。しかし特許制度が発明者の味方であることは間違いありません。

実用新案登録とは

特許と実用新案登録の違いは何でしょうか。

実用新案登録の(保護)対象は「物品の形状、構造又は組み合わせに係る考案」です(実用新案法第1条)。考案は発明と同じく技術的なアイデア・ひらめきという点で同じです。物品の形状等に係る考案ですから、方法・製造方法は実用新案登録の対象になりません。これらは専ら特許で保護されることになります。

実用新案は特許と異なり、実体審査(新規性や進歩性など)を審査することなく、方式的要件と基礎的要件を満たせば、登録を受けることができます。これを無審査登録主義といいます。実体審査を止めたのは早期登録を図り、ライフサイクルの短い製品を保護するため。 実用新案を選択するメリットは早く登録できることです。